「こんな話を知っていますか?
それは遠い遠い昔にできたお話で
今でもたくさんの人の間で語り継がれているのです」
闇にうつろう 白銀
光を失った 紅玉
艶やかに咲くは人の業
「大人は子供たちにいうのです
いい子にしないと彼女にとらわれてしまう、と
永遠の闇と終わりのない世界の中に。」
握られしは裁きの剣
とらわれしは罪深き人の子
さぁ、その胸を貫いて
世界は染まる それは罪の色なのか
闇に漂う 泡沫
風がさらう 花霞
名残惜し 散りゆくは 面影か
「人は時として、許されぬほどの罪を犯す
そして哀れな犠牲者はこの世界から除外される」
世界が私を厭えども
聞こえぬ声が嘲笑えども
あぁ、なにを躊躇うか
ここは闇 誰も出られはしないのだ
「悪い子は彼女にさらわれる
それは戒め。
破らぬようにと言い聞かせても、子供はわすれる
そしていつしか誰もが彼女を忘れていった
罪を犯し続ける世界
早足で逃げる人々
そばで聞こえる死の息遣いは永遠に途切れることのない縁の糸
少女はその目に何を映すのか」
「それでも私は、断罪者であろう」
うつろいし黒銀の闇
彷徨うは泡沫の諸人
ちりばめられた星屑に抱かれ
静けさに耳をふさぐ
罪人には久遠の悪夢をささげよう
さぁ、その胸を貫いて
世界は染まる そう罪の色
「それは遠い昔の戒め
童歌に隠された黒
人々が忘れたころ
再び彼女はやってくる 闇を祓うかの様な白刃の煌き共に」